2015/08/28にMTL勉強会「UX Sketch」vol.3に参加してきました!
MTL勉強会「UX Sketch」とは「事業計画(経営)」と「UX(デザイン)」をテーマに語られる勉強会です。
※詳しくはイベントの説明をご覧ください

vol.3では「UXデザイナーは様々な能力が求められる」という前提のもと、「何ができれば『優秀なUXデザイナー』と認められるのか?」についてのお話を聞いてきました。

御嶽山「噴火の証言」とFACE MELODYからみるUXデザイン

一番最初にお話されたのは伊藤 大輔さん(面白法人KAYAC - 企画部 ディレクター)です。

伊藤さんは御嶽山「噴火の証言」FACE MELODYを例にお話をされました。

御嶽山「噴火の証言」では、人々に対して情報をちゃんと伝えるために、もともとは技術よりでインパクトが強く、自由度も高い見せ方にしていたものをfacebookのようなタイムラインに似た見せ方にしたそうです。ここでは新しい見せ方をするよりも、見慣れたインターフェースと自由度に制限をかけることによって情報を伝えることが達成できたのだとおっしゃってました。

御嶽山の噴火という時間軸に乗っ取った変化の軸があり、自由に見るよりも時間軸に沿ったほうがわかりやすく齟齬なく伝えることができたのだと思います。また、時間軸の見せ方としてFacebookのタイムラインのような見せ方にすることで、ユーザーは使い方を新しく1から学習する必要はなく、その違いの部分のみを学べばよいので情報のみに集中することができるので今回のプロジェクトに適していたのだと思います。

FACE MELODYは、御嶽山とは逆に技術力を全面に押し出したプロダクトになっています。顔の写真をアップすると目、鼻、口の位置をポイントし、そこから音楽が奏でられます。Web-GLが活用され、説明など必要なく作品としての完成度が非常に高いものでした。このサイトではよくキャンペーンサイトでもよく見るような「はじめに」や「about」などのリンクはMENUの先に取り去られ、技術に対して楽しんでもらえるよう不必要な情報は出していないとのことでした。

また、このサイトの制作のために最初に書いたワイヤーフレームは最後には形が変わっており、「気持ちいい」体験をつくるためにはモックをつくって修正するのがよいと仰っていました。やはり早期にモックを作成し、磨いていくことがプロダクトのクオリティを上げるという意味で近道になるのだと思います。

今、必要となるデザイナー

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二番目には松川 進さん(Media Technology Lab)がお話されました。
松川さんは海外のデザイナーの記事を翻訳されていることもあり、「今、必要となるデザイナー」というタイトルのもと海外デザイナーの考察を紐解かれていきました。特徴的だったのは、UI/UXとまとめることに嫌悪感をいだかれることが多い昨今で「UX is UI」という考え方を持っているということでした。UXとは、「解決すべき課題を見つけ出し、それを正確に把握し、それを解決するための戦略提案」のことで、ここでいうところのUIはプロダクトのインターフェースではなく、顧客とビジネスをつなぐインターフェースを指すとのことでした。

そして、最適な解を実行するために上記で述べたUIの部分は非常に重要な要素となるのでリレーションシップエンジニアになりなさいとお話しされました。クライアントワークを想定して考えたときに、クライアントの課題(agenda)とその中で最も解決すべき課題(issue)とそれを解決するための戦略(strategy)と捉え、クライアントの同意を得て実装していく。このようにUXとUIは違うと思っても考え方一つで同じものにもなりえます。だからこそUXデザイナーとして常に懐疑的な目でみることが大事ということにつながってきます。僕らは現状生活という点でみると困っていることはそうありません。しかし、そうではなく懐疑的な目でみることが新しい発見とアプローチの種につながるのではないでしょうか。

BRIDGE

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最後に宮村 和実さん(Netyear Group Corporation - UX Designer / Information Architect)が「BRIDGE」というテーマで話をされました。UXデザイナーはスキルセットが幅広く、大量、しかも求められるスキルが被ります。これはHCD-Netのコンピタンスマップを見てみると参考になります。

では、デザインプロセスの視点でどうUXデザイナーの力を伸ばしていけばよいのでしょうか。デザインプロセスの中には、

  • リサーチ(ユーザー調査、評価)
  • UX設計(ユーザー定義、UXシナリオ)
  • UI設計(構造設計、画面設計)

があり、理想的な学びは一気通貫で体験しながら学んでいくことです。Netyear GroupではリサーチとUI設計をから少しずつ入っていき、最後にUX設計を伸ばすという育て方をしているそうです。
UXデザイナーに一番大事な力はそれぞれの領域の橋渡しをすることだとおっしゃっていました。リサーチからUX設計への橋渡しとして、UX設計のために必要な情報をリサーチできるように計画し、リサーチして得たファクトを分析しUX設計に生かす力が必要となります。そして、ここでいうUX設計とはリサーチしたことをUIへ落とし込むために設計の幹となる考えを設計方針としてまとめること、設計の幹となる考え方を描くことであるため、自ずと全行程をつなぐことが求められるのでしょう。僕もUXデザイナーとしてリサーチで得た課題を元に戦略を決め、実際にユーザーの使うプロダクトまで一気通貫で見れる力が今後必要になってくると思っています。そのためにはエキスパートでありながらジェネラリスト、UXのエキスパートでありながら様々な技術を跨ぐジェネラリストとしての力が必要だと思います。

最後に

改めて3名の登壇者のお話を聞いた上で、自分の今持っているスキルセットと自分が目指す理想像の持つスキルセットとの差分を整理してみようと思いました。
自分の足りていないスキル(agenda)の中からもっとも今足りていないスキル(issue)を導き出し、それに対して戦略を立て解決する方法へと落とし込んでいければと思っています。自分の課題を棚下ろしするように、日常的にデザインプロセスの視点で思考することを癖としてつけていければと思います。

筆者プロフィール
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赤木 謙太(AKG)
IT戦略室 デジタルマーケティング部 R&Dグループ
2015年4月に中途入社。UXデザイナー、ディレクターとして新規サービスのディレクションを担当。