こんにちは、ぞのです。先日福岡で開催されたUX Japan Forum 2015へ参加してきましたので、今回はイベントの様子をレポートします。

UX Japan Forumとは?

UX Japan Forumは、日本各地でUXデザインを学び続けている人々が集い、最新情報や実践例、知見を共有する場です。第2回目となるUX Japan Forum 2015は、「サイレントニーズをさぐる」をテーマに福岡にて開催されました。イベントの詳細はこちらをご覧ください。当日はリアルタイムドキュメンテーションも行われ、大変盛り上がりました。すべて勉強になる内容だったのですが、中でも印象に残った3つのキャッチコピーをピックアップしご紹介します。

「UXの要は調査によって、目に見えない真実を探ることにある。」

浅野 智 氏 特定非営利活動法人人間中心設計推進機構 理事

「あなたは、ランチにいくらかけますか?」そう聞かれたら、どう答えますか?ぱっと頭に浮かんだ金額や、平均的な金額を答えるかもしれません。その問いかけで得られた回答を~500円、~1000円、このようにセグメントを切って「ランチに1000円かける人はどのような人か?」という平均像を理解しようとするのがマーケティングです。
しかし、仮にいつも1000円かけていると答えたとしても、女子会のランチだとどうでしょうか。平気で1500円のランチとか食べてしまいませんか?
このように、人はコンテクストによって、違う行動をするもので、「その人はその時、なぜその行動をしたのか?」というサイレントニーズを理解するのがUX。そして、それを理解するための基本は調査にあるというお話でした。
浅野さんは、「調査がすべての要であり、その質が低いとその後の開発工程がすべて不確かなものになる。近年のUXは、ここを安近短でやろうとする傾向にある。」と警鐘を鳴らしていらっしゃいました。

「最後にユーザに会ったのはいつですか?」

坂田 一倫 氏 株式会社リクルートテクノロジーズ UX デザイナー

この質問、みなさんはどう答えますか?わたしにとっては耳の痛い質問でした…。リクルートテクノロジーズでは、毎月カスタマーと会話する機会を半強制的に設けて、各部署から質問したいことを募集するというオペレーションをしているそうです。UXを組織に根付かせるためには、組織にカスタマーの声を届けるための仕組み作りが必要だとおっしゃる坂田さんの具体的な取り組み紹介は、大変勉強になりました。
また、もう一つ面白い取り組みだなと思ったのが、カスタマージャーニーマップのモニタリングです。カスタマーに会うことで得られる気付きを毎月アップデートし、モニタリングシートとしているそう。カスタマーの感情も変化するので、我々がついていかないといけない、という言葉にはなるほどと思わされました。

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「偉大なプロダクトは偉大なチームからうまれる。」

村越 悟 氏 Goodpatch リードUXデザイナー

チームビルディングがプロジェクトの進行、アウトプットにも関わってくる、という話を社内のプロジェクトの成功失敗分析した結果から、鉄則を2つお話してくださいました。
まず1つめは、「1000の会議より、1つのプロトタイプ」
Goodpatch社はプロトタイピング=コミュニケーションツールと考えていらっしゃるそうです。誰もがアイディアをだせるし、そのプロセスにみんなを巻き込んで、いいアイディアを磨いていけることがメリットだとおっしゃっていました。また、全員が中間成果物を共有することで、大どんでん返しがおきないように、都度進捗を可視化するという効果もあるとのことでした。
2つめは、「Whatよりも、Who knows what」
Goodpatch社ではプロダクトレビューの際大人数を巻き込めるよう、「トランザクティブ・メモリー」が最大化された状態をつくるようにしているそうです。そのためにGoodpatch社では、全社プロジェクトレビュー、類似した案件同士の相互レビュー、ベルリン拠点とのグローバルデザインレビュー、カジュアルレビューといったことを行うことでプロダクトの品質を高めているそうです。グローバルデザインレビューの取り組みは海外から学ぶことが多くありそうです。風通しの良い社風なのだろうなと感じました。

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参加した感想

坂田さんが「UXが向いている人は、リア充。」とおっしゃっていたのが印象的でした。ここでいうリア充は、自分の生活を楽しんでいて、積極的にあれこれ体験をしにいっている人という意味です。
UXデザインを実践するには、カスタマーの代弁者となるべく、いろんなサービスを触ってみたり、体験しようとしたりする姿勢が重要なのだと感じました。
今回の参加者は開催地の関係で福岡の方が多かったのですが、福岡にはITの会社がとても多いことに驚きました。ITによって仕事は場所を選ばず、多様な働き方を選択できる時代が来ているのですね。地方の働き方の変化を肌で感じることができ、オフィスから飛び出して直接話をすることで得られる気付きはやはり多いと感じました。