こんにちは、赤木です。
毎年3月にアメリカ・オースティンで行われる「SxSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)」に参加してきました。僕は、UXデザインなどのデザイン系、イノベーション系の展示やセッションを見てきました。
今回は、気になったトピックスをいくつかご紹介します!

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映画『アイアンマン』の世界がすぐそこに!

非常に興味深かったのが、映画『アイアンマン』のセッション「Iron Man Interfaces: Next Generation UI(Or UX)」。前半は、映画『アイアンマン2』のUIをデザインしたクリエイティブディレクター・Jayse Hansen氏が登壇し、UIに関する話がありました。実際に使ってもらえるようなものを作ることをベースにデザインしているようで、リアルを追求するという話でした。
2人目の登壇者・Meron Gribetz氏は、実際にそれを現実にするという話をしていました。現状では何もない空間に画面構成することはできないものの、ウェアラブルデバイスをつけることによって目の前に物体があるように見える。その3Dのモデリングを手で分解できて、尚且つ、遠くの人に自分が分解・構築したものを渡し、相手が触っているのを見ることができるソフトウェアを実際に披露していました。人の視覚の拡張として、物体を触れるという触角の部分を混ぜたようなもので、単純に映画『アイアンマン』の世界が実現したというよりも、その想像をひとつ超えてきたというところです。もしこれが一般にも普及したら、仕事やコラボレーションの仕方もすごく変わってきますよね。今回のSxSWで全世界初披露ということもあり、観客も全員スタンディングオベーションで大盛り上がりでした。
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ロボットは完璧である必要はない?

その他にも、さまざまなセッションにも参加しました。「More Than Media Queries: Reframing Responsive UX」という、「いろいろなものに適用できるUXとは何か」というテーマのセッションや、「Human-Centered Design: Why Empathy Isn't Enough」という「人を中心にものづくりをした時に、そのものと人とのコミュニケーションや接点をどう生み出すのか」という話のセッションを聞いてきました。
その他にも、「One Robot Doesn’t Fit All」という、ロボットの開発に携わっている人による、「ロボットは次にどうなるのか」というテーマのパネルディスカッションもありました。このディスカッションで皆がしきりに話していたのは、「ロボットは完璧を求められがちだが、軽い人間性を持たせるととても愛着がわく」ということ。どうしても完璧なロボットを作ることはできないならば、失敗した時や間違った時にどう見せるのか。そこで愛嬌を見せると、そのロボットがすごくかわいく思える。そういうことが今ロボットに求められているのではないか、ということでした。
最近、「強いAIと弱いAI」という話もよく聞きますが、「弱いAIの部分で人とどういうコミュニケーションをとるのか」という話でした。個人的には、「完璧なAIは人にとって必要ない」とも思っています。それは、人間の強みだったことをロボットに任せてしまうことによって人の尊厳が失われると、人はそこから進化しなくなるからです。必要なのは、自分がやらなくてもいいことを必要最低限ロボットに任せる、ということが必要なのではないかなと思いました。

流れ星を作る?

日本の講演が行われる「JAPAN HOUSE at SxSW」ではマツコロイドを作ったロボット工学研究者・石黒浩教授などが登壇していました。
他に日本のベンチャー企業も多く出展している中で、特に興味を惹かれたのが、Trade Showに参加していた株式会社ALEの流れ星を生み出すプロジェクト「Sky Canvas」です。人工衛星の中に直径1.5cmの物体を入れて、それを放出すると大気圏で燃えて、流れ星になるというのです。初期段階としては、地球から持って行った実験的なものを降らせていますが、宇宙空間にあるものを降らせれば宇宙ゴミ(スペースデブリ)の回収にもなる、という話でした。SxSWで“Crazy”という言葉は褒め言葉として使われます。これは様々な国の人に“Crazy!”と賞賛されていたプロジェクトのひとつでした。

ミートアップで情報交換

SxSWではさまざまなミートアップイベントも行われます。初日に「BBQ Crash Course」というバーベキューを食べながらミートアップするイベントに参加して、面白いプロダクトを知りました。ヘッドフォンに加えてウェアラブルデバイスを手につけると、ウーハーのリズムを手のデバイスで刻んでくれるというもの。最初は半信半疑だったのですが、実際にやってみると強弱も細かく刻んでくれるので、とても面白かったです。参加者がヘッドフォンをして音楽を楽しむようなイベントでは音圧を感じることができないので、そういう場でも活用できそうだと思いました。

他にも、日本からの参加者が集まる日本人パーティーも開催されていました。代理店、大学生、それにトレードショーに参加したベンチャー企業の人などが参加し、良い情報交換の場となっていました。

最後に

SxSWは密度がとても濃かったです。密度は大きく2種類あって、ひとつは世界中から人が集まるという物質的な密度と、もうひとつは人が放出するエネルギーの密度。特に後者は、「世界で戦ってやる」という意気込みのある人がこの時期のオースティンに集まっていて、その情熱やエネルギーがSxSWで爆発していました。そういう人たちは、やはりすごく楽しそうなのです。やりたいことを仕事にしているような人たちなので、夢がありますし、エネルギッシュで魅力的な人たちがとても多い。またチャンスがあれば行きたいです!

筆者プロフィール
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赤木 謙太(AKG)
商品本部 デジタルマーケティング室 事業開発部 UXDグループ
2015年4月に中途入社。UXデザイナー、ディレクターとして新規サービスのディレクションを担当。