product managers night

こんにちは、吉岡です。

先月、MTLcafeにて開催されたProduct Managers Nightの模様をレポートいたします。

「Product Manager」、最近よく目にするようになったワードですが、どのような役職か皆様ご存知でしょうか?
頭文字は同じですが「Project Manager」とは全く異なる職種です。

「プロダクト起案の中心人物でリリース後は責任者、グロースするための戦略や舵取りをする人」と私は理解しているのですが、現場にそのような方がいないとイメージしにくいかもしれません。
具体的にどんな仕事をしている職種なのか、私が一番参考になるなと思うのはrebuild.fmの箕輪太郎さんゲスト回かと思います。彼が務めているTwitter社での事例を含め、周辺の会社の状況をわかりやすくお話してくださっています。

アメリカではProduct Managerという役職が根付いているのですが、日本ではまだ定着していないというのが現状です。「マネージャー」、「ディレクター」、「プランナー」がそれぞれ分業している会社が多いと思います。ただ、一部の日本企業ではProduct Manager的な役割で仕事をされている方がいます。

tanno

今回は「Product Manager」的な仕事をされている方々にお声がけして、どのような仕事をしているのか?課題は何か?などをディスカッションする会として開催しました。モデレータはビズリーチの丹野さんにお願いいたしました。

パネラーの方々ご紹介

NewsPicks甲斐さん

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★どのような役割か?
戦略側からプロジェクトを引き継ぐかたちで、プロダクト開発の方向性定義や組織内へのビジョンの浸透を担当している。
★課題に感じていること
ユーザーインタビューから立てた仮説をどれだけアップデートできるか?
定量データを誰が集めて組織内にKPIドリブンの意識づけを浸透させるか?が課題。

VASILY柿本さん

kakimoto

★どのような役割か?
"iQON" プロダクト責任者。組織間の情報を集約しプロダクトの課題の優先順位をつけ、高いものからアクションに落とすということをしている。
★課題に感じていること
アプリとブラウザのUI/UXのつなぎこみ。

エウレカ榊原さん

sakakibara

★どのような役割か?
"Couples" 立ち上げ期から担当し、サービスのグロースを行っている。
★課題に感じていること
マネタイズをどうするか、営業と開発の間でどの案件を優先順上位につければよいか?

クックパッド 田中さん

tanaka

★どのような役割か?
クックパッド特売情報担当。UI/UXチームとエンジニア、営業、CSを繋ぐ形でサービスのグロースを行っている。
★課題に感じていること
マーケの対応をしながら、エンジニアのレビュー依頼を捌かなければいけないので、意思決定の質が下がってしまうという課題。

Retty 藪さん

yabu

★どのような役割か?
昨年までRettyアプリ開発チームのリーダー、現在は投稿者コミュニティ活性化・お店発見UX改善プロジェクトリーダー。
周りを巻き込みながらプロジェクトを推進している。
★課題に感じていること
横断する分野の知識の必要性、筋の良い仮説をどうやって立てるか?

RJB 渡邊

watanabe

★どのような役割か?
プロダクトプランナーとしてタウンワークの戦略から関わりつつ、プロダクトオーナーとしてタウンワーク開発マネジメントを担当。
★課題に感じていること
短期の売上を達成する計画と2、3年後の中長期戦略を描いているが、両者がリンクするような戦略を作るのが難しい。
  

そしてパネルディスカッションへ

パネラーの方の自己紹介の後に、ビズリーチ丹野さんにモデレータをして頂き、パネルディスカッションに入りました。

「ユーザー理解どうしてますか?」

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パネルディスカッションの最初のテーマとして、各社の「ユーザー理解の取り組み」についてお話いただきました。

柿本さんよりVASILYでは「定量的な取れる数値は全部取り分析する。自分とターゲットユーザーは離れているので、数字で判断するようにしている」とのことでした。
定性的なデータに関しては「ユーザーに会いに行く。恵比寿や渋谷にベータ版をもって行き女性に見てもらったり」と積極的に街にでていく取り組みをご紹介いただきました。

藪さんからはRettyの取り組みをご紹介いただきました。
「ユーザーヒアリングは週2~3回実施しているが、ユーザー課題がエリアに寄って違う。福岡のユーザーと新潟のユーザーと抱えている課題が違うため、全国津々浦々に行って、ユーザーと対話しながら施策を考えている」とのこと。地域によって課題が変わるという点が面白いなと思いました。

次に、クックパッド田中さんよりクックパッド特売情報ではドッグフーディングを実施しているとのこと。
「ユーザーごとの最適化した情報を届けるための条件分岐はすごい複雑。ドッグフーディング(自社製品を社員が日常的に利用して、製品の問題点をチェックすること)を意識的にやっていて、プロトタイプができた段階でフィードバックをもらうようにしている。また、違和感があったら他の部署のメンバーでも報告できる仕組みが社内にある。」とのことでした。

弊社渡邊からは、「ターゲットユーザーと自分とのギャップを埋めるために、月1くらいで大学生ユーザーに会いに行く。質問に答えてくれるオンラインコミュニティを利用していたりもする。」と自身の取り組みをご紹介。

NewsPicks甲斐さんは全く自分と違うターゲット層を知るために、普段何している人なのかを調べターゲットユーザーの生活そのものを理解しようとしている、とお話いただきました。

最後に、エウレカ榊原さんからユーザー理解の取り組みについてご紹介いただきました。
「Couplesは男性と女性の両サイドをみなくてはならない。メイン層は18歳、カップルをCPと略すなど、自分とは違う感覚。女子高生・女子大生を定期的に呼んでグルインしている。ミクチャ(MixChannel)のターゲット層とかぶるので、ミクチャを見ることがユーザー理解のヒントになった。」とのことでした。

「社内の様々なステークホルダーとどう付き合ってる?」

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次のテーマとして丹野さんより「社内のいろんなステークホルダーとのつきあい方上手く行っている人いますか?」と投げかけがありました。

クックパッド田中さんは「開発チームは早い段階から巻き込む意味でもGitHubを導入している、要件が決まってから開発に渡すと、開発工数凄いかかるしスタックしがちなので。開発とデザイナーに早めに入っていただいて案を練ると手戻りが少ない。」とGitHubを使った情報共有の取り組みをご紹介いただきました。

エウレカ榊原さんは「広告と情報のバランスについて、営業と開発双方でなかなか理解してもらえない。解決するにはコミュニケーションを増やして、とことん話すしかない。広告が主張し過ぎるとプロダクトが壊れることもあるので、ちょうどいいバランスを探している。」と開発側と営業側の利害が一致するバランスを都度都度探す大変さについてお話いただきました。

それに対して、VASILY柿本さんは「長期的視点で売上利益とトラフィック双方が伸びるか、という視点で開発の優先度を決めている。お互いの利害が一致するように意識していかないと、長期的に成功するプロダクトにはならない。」とおっしゃっていました。

NewsPicks甲斐さんは「プロダクト開発担当者と営業が言っている主張はどちらも正しい。問題はどちらもお互いが持っている課題について知らない状態。」とのこと。やはり開発と営業の情報共有が重要とのことです。

弊社渡邊は「人が足りてないクライアントは多く出稿してくれるが、若者が働きたいような仕事ではないケースが多く、なかなかマッチングしない」とクライアントとカスタマーの需給ギャップについて話しました。

それに対し、ビズリーチ丹野さんは「需求をあわせていくしかない、営業とマーケティングの双方でバランスを取っていく必要がある。プロダクト開発側だけでは解決できない問題。営業とプロダクトでジャーニーマップを作ると、双方の課題を共有できるきっかけづくりができるのではないか?」とおっしゃっていました。

最後に、Retty藪さんは「AIを積極的に取り入れ、テクノロジーで解決するようにしている。」とのこと。
ただ、「社内のAI技術者とプロジェクトを進める中で、どこまでAIについて理解して意思決定していくかが課題」と最新技術を導入することでの課題感についてお話頂きました。

「マルチタスクな仕事をこなす上での課題感は?」

次に、様々な業種にまたがるProduct Managerの業務効率化について話題が移りました。

まず、クックパッド田中さんからご紹介いただきました。
「エンジニア研修3ヶ月やることでエンジニアが引っかかる部分がわかるようになった。」と、自らエンジニアの世界に足を踏み込むことでマネジメントの精度をあげようという取り組みをご紹介いただきました。

エウレカ榊原さんは「当初は前職のグリーから来たってだけで、“ブラウザから来たんでしょ?”といじられてしまった。とにかくキャッチアップしなきゃという思いで、ユーザーの動向調査何度も行った。結果、自分の提案したものが結果を出していき、アプリもできる人というチーム内の認知に変わっていった。」とのことでした。
チーム理解を得るにはまず誰よりもターゲットユーザーの理解し、結果を出すことが重要とのこと。

Retty藪さんからはエンジニアとのコミュニケーション課題について「エンジニアも巻き込んで技術的な課題に向きあう際に、PMとしてどう関わればいいかどこまで踏み込めばいいかが永遠の課題。」と、お話いただきました。
これは、rebuild.fmで箕輪さんがおっしゃっていたことと重なるなと思いました。

NewsPicks甲斐さんは「メンバーの興味やサービスに対して抱いている課題感などを知るようにしている。例えばエンジニアでも、アイデアを出すのが好きな人と、細部にこだわるのが好きな人、と興味の比重が違う。その興味に従って相談をしたり、自分のアイデアをフィードバックしてもらうことで、以前よりメンバーの主体性を持ってプロダクトを作れるようになった。」とチーム内で、より良くプロダクトを考えるための取り組みをご紹介いただきました。

「どういうProductManagerでありたい、と思いますか?」

最後に、丹野さんより「どういうProduct Managerでありたいか?」と投げかけがありました。

エウレカ榊原さんは「全員がサービスのコンセプトを理解している、各職種の人が気持ちよく仕事できるようなPM。」

VASILY柿本さんは「経営戦略まで考える人になる。プロダクトUI/UXを考える際、ユーザーのことはもちろん、自社の強みや競合他社のことも考えないといけないし、マネタイズも考えないといけない。マーケティングや営業など、複合的な知識がホント必要だと思う。」

Retty藪さんは「人を巻き込めればどんなスキルがあってもいい。その巻き込みスキルが時代や会社によって変わっていくのかな。巻き込める人。」

クックパッド田中さんは「スティーブ・ジョブズじゃない?ユーザーを理解してビジネスに昇華する人。」

RJB渡邊は「経営戦略から落とし込んで、各論にも踏み込めるスキル。経営戦略考えながらも、各論に踏み込めるのが理想。」

NewsPicks甲斐さんは「プロダクトにとって「これが正しい」を定義できる人。経営、プロダクト、エンジニアリングなど様々なことに興味を持てるミーハー力を持つ人。」

丹野さんから「理想の姿を追い求めていきましょう!」との締めの挨拶で、第一回目のProduct Managers Nightパネルディスカッションは終了しました。

おわりに

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パネルディスカッションの後の懇親会で柿本さんから聞いた話なのですが、VASILYではいわゆる世間一般的な、進行だけを行う「ディレクター」は存在しない、とのことでした。プロジェクト進行管理だけを行うような役職は淘汰されて行くというのがプロダクト開発の世界なのか、と改めて思いました。

それはプロダクト開発の現場が以下の様な状況にあるからだと思います。

エンジニアが主体的に関わるスクラム開発では、スクラムマスターが開発マネジメントを行います。
また、ワイヤーフレームや設計はデザイナーがUIデザインと一緒に行うようになってきています。
あと戦略からプロダクトの方向性を考えるプロダクトマネージャーがいれば、プロダクト開発は回っていきます。

このように昨今のプロダクト開発の現場は、ディレクターが行っていた仕事を各プロフェッショナルが担うことで、開発チーム内の受発注感を払拭し、コミュニケーションコストを減らす工夫をしているのだと思います。

このような状況下で、プロジェクトマネージャーや、ディレクターや、デザインの出来無いIAは、さらなる研鑽を積んでレベルアップする良い機会なのかもしれません。その先の一つの役職としてプロダクトマネージャーが存在すると思います。
プロダクトマネージャーは経営から集客からエンジニアリングまで理解がないと務まらない役職ではありますが、だからこそやりがいのある仕事なのだなと、パネルディスカッションを見ていて感じました。

懇親会も盛況でしたし、またPMN#2開催すると思います。
今回お越しいただけなかった方は是非#2をご期待ください。