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こんにちは、大草です。
2016年2月17日にIDEO Tokyoにて行われた「Lean UX in the Enterprise」に参加してきたので、今回はその時のレポートをお届けします!

Lean UXとは?

2014年に発売された『Lean UX』という本が世界的に話題となりましたが、Lean UXとはリーンスタートアップの手法をUXに応用させたもの。今回の「Lean UX in the Enterprise」は、『Lean UX』の著者であるJeff Gothelf氏による、『Lean UX』の一部を実践するワークショップでした。

参加しようと思った理由

リクルートジョブズのプロダクトは、長い年月をかけて発展してきているものが多いのが特徴です。明らかに改善すべき点については対応し終えている事が多く、これから大きく成長させるためには今までの発想とは異なる考え方をしなければいけないという課題を私自身が感じていました。また、どのようにすればもっと周囲を巻き込んで、みんなが納得した上でプロダクトを作り上げていくことができるのかというチームビルディングにも興味があったので、今回参加することにしました。

ワークショップの流れ

今回のワークショップは、Jeff Gothelf氏によるUX自体やLean UXについてのトークの後、グループワークを通してLean UX手法の一部を実践していきました。

今回の課題は、「若年層の利用者が少ないという問題を抱えているラーニングマネージメントシステムというサービスで、問題を解決するにはどうすればいいか」というものでした。

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・仮説条件の共有とKPIの設定

まずはチームで上記の仮説条件についての認識合わせをした後、どのようなKPIをゴールとして掲げれば若手層の利用が増えるのかをブレストしていきました。例えば、若い人の登録数が増えればいいのではないか、利用者のうち半数が若手層になっていればいいのではないかなど、課題の解決に直結しそうなゴールを出しあい、KPIを3つに絞っていきました。

・ペルソナの設定

KPIを決めた後は、ペルソナを設定していきます。生徒、生徒の親、それを使う先生など、ラーニングマネージメントシステムの関係者・利用者にはどのような人がいるのかを洗い出し、そのうちの2人のペルソナを設定しました。私たちは生徒と先生のペルソナを作成しました。生徒のペルソナでは、生徒の名前、顔、どういう生活をしているのか、勉強に対するニーズ、なぜ今はできていないのかなど設定を考え、グループで認識をあわせていきました。

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・価値の設定

次に、関係者にとってどのようなことが価値になるのかを洗い出しました。例えば、親であれば見えないところで子どもが何をやっているのかがわかるとハッピーである、生徒であれば勉強を自然とできるのがハッピーである、先生であればコミュニケーションをうまくとれない子どもが何を考えていて、何に不安を抱えているのかがわかることがハッピーであるなど、関係者がどういう気持ちになれたらハッピーなのかを洗い出していきました。

・機能の設定

価値の設定で決めたハッピーを満たすためには、今のプロダクトにどういう機能や何を追加しなければいけないのかを書き出し、価値を機能ベースに落としこんでいきました。

・設定を論理的に確認する

最後に、今まで洗い出していったKPI、ペルソナ、価値、機能が論理的につながっているかを確認するためのワークがありました。今まで付箋で出していったものを組み合わせて、最後に仮説ステートメントの形式で文章としてまとめられるかを確認していきました。

Lean UXの手法を使ったワークショップを開催

ワークショップ参加後、今回一緒に参加した同僚の担当するプロダクトを使い、社内でこの手法を用いたワークショップを開催しました。

・よかった点

どのようなユーザーのために機能を考えていけばいいのかというチームの共通見解が得られるフェーズがあるので、企画職以外の人もユーザーを考える場になり、チームビルディングやユーザー理解に繋がりました。

また、機能を検討する前にどのようなハッピーを満たすべきかを話すステップがあるので、カスタマニーズに沿った機能を多く起案できたと感じます。

・改善点

よかった点の反面、ユーザーに対する理解度の違いも浮き彫りになりました。企画職の人はユーザーに必要なことや障壁をいつも考えていますが、ワークショップによって初めてターゲットやユーザーを深く知った人にとっては、価値につながる機能や精度が異なり、なかなか実際の機能にまで落としこむことができませんでした。また、いろいろな職種の人がコラボレートして共通認識を得るのはすばらしいのですが、ペルソナを作るときもつい企画職の人が先導してしまい、それが本当にユーザーのペルソナなのか、その人のフィルターがかかったペルソナなのかがわからなくなってしまう場面もありました。余裕があれば、その前段階として、チームでユーザーの声を聞くフェーズがあると、より良くなると感じました。それは、今後の課題にしていきたいです。

最後に

今までプロダクト、サービスデザインなどのさまざまな手法を勉強してきましたが、その中には、既存のサービスをグロースさせるという点では取り入れづらいものも多かったのも事実です。Lean UXは、既存のサービスで課題があるものにもマッチしやすいので、今後業務に取り入れていきたいと思います。