こんにちは、西村・藤井です。
昨年11月にチェコ共和国の首都・プラハで行われた「Global SCRUM GATHERING Prague 2015」に参加してきました。今回はその時のレポートをお届けします!

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「Global SCRUM GATHERING Prague 2015」とは?

以前レポートした「Agile Brazil」はAgile Alliance主催でしたが、今回参加した「Global SCRUM GATHERING Prague 2015」(以下SGPRG)は、Scrum Alliance主催のカンファレンスです。「Global」という冠がついているカンファレンスは年数回程度しか開催されない世界最大規模のアジャイル開発のカンファレンスで、今回はヨーロッパのアジャイル開発事情とScrumの文脈での最新トピックをキャッチアップすべく、プラハまで行ってきました!

SGPRGはヨーロッパ最大のScrumのイベントということもあり、今回も世界50カ国600人が参加していました。海外では「アジャイル≒スクラム」という図式になっている部分もあり、参加者も大企業担当者や独立系コンサルタントが多く、ビジネスショーとしての要素が強かったです。
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「Global SCRUM GATHERING Prague 2015」の注目のキーワード4選

SGPRGで感じた、注目トピックスをいくつかご紹介します。

組織論

オープニング/クロージングキーノートともに、組織論についての話でした。その中でも一番のトレンドが「ホラクラシー」。近年、権限を分散させて上下関係の無いフラットな組織体制を構築するホラクラシーという概念が注目を集めていて、海外ではAirbnbやZapposが導入したことでも話題となりました。特に、クロージングキーノート・Brian Robertsonさんの「Holacracy: A Radical New Approach to Management」は、概念のみにとどまらず、実際に会社の中でどう役割定義するのかと具体的に言及していたのが興味深かったです。ポイントは“人にラベルをつける”ということ。海外ではジョブタイトル(仕事上の肩書)を明確にする習慣がありますが、フラットな組織になった際、「ジョブタイトルをラベルとして使いましょう」といった導入時のノウハウなどを話していました。ホラクラシーというキーワードだけが入ってきている日本よりも2~3年進んでいるような印象を受けました。
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スケーリング

組織論のほかに、たくさんの人を集めていたのがスケーリングのセッションです。その中でも特に人気だったのが「More with LeSS: Introduction to Large-Scale Scrum (LeSS)」というセッション。組織論もそうですが、スケーリングは組織内にScrumを実践するチームが広がってくると避けられないキーワードなので、スケーリングの手法のひとつであるLeSSの提唱者・Bas Voddeさんのセッションは、その注目度の高さをあらわしているようでした。このセッションももちろん盛り上がったのですが、自由にセッションテーマを持ちよるオープンスペースでBas Voddeさんがセッションでは話せなかった「大規模って実際はどうなの?」「他のスケーリングのやり方と何が違うの?」というような裏話の方も大盛況でした。
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スクラムを教える

「SCRUM GATHERING」は大企業での推進役やコンサルタントなどスクラムを教える立場の人たちの集まりでもあるので、“スクラムを教える”というセッションが多く、教えるときなどに使うワークショップを同業者同士で情報交換するのも本イベントの特徴です。その中でも特におもしろかったのが「MAKE YOUR VISUALS ROCK」というワークショップ。Scrumはチームでコミュニケーションをとることがベースにあるので、“伝える”という行為の大切さと成功体験を得ることを目的としたワークショップがいくつか行われていましたが、中でも「MAKE YOUR VISUALS ROCK」は、長文のお題について絵を描いて、絵で伝えるということを実践していて、とてもおもしろかったです。

経験をシェアする

自分が試して経験した内容をシェアする、という内容のセッションもあいかわらず多かったです。その中でも、「Housebuilding with Scrum」というセッションでは、プロのコンサルタントが、Scrumの知見を用いて自邸のリフォームを試したという内容。ゴールは二世帯住宅と設定して、プロダクトオーナーはおじいちゃん/スクラムマスターは自分/ステークホルダーは奥さんと子どもなど、家のリフォームをわかりやすい事例として発表し、たくさんの人の笑いを誘っていました。
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最後に

イベント名にもなっている「GATHERING」は“交流する”という意味を持っています。主催者であるScrum Allianceも参加者同士の交流を推奨していて、カンファレンス終了後もセッションでは聞けないようないろいろな情報交換も行われていました。ヨーロッパ最大のカンファレンスだけあり、知見や最新情報を得るという目的はもちろんですが、情報交換の場としても非常に有意義な体験でした。
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